予防と健康

健診結果の見方教えます!どこを見る?何をする?

ここではこれから健診を受けるから事前に気を付けることを知りたい!という人や

健診は受けて結果ももらったけど、どこを見たらいいのかわからない!という人

健診で何か引っかかったみたいだけどこれから何をしたらいいのかな?という人へ

健診結果の見方と活用方法をお伝えします。

一般定期健康診断では何を調べている?

一般定期健康診断とは、安衛法により定められている働く人の安全と健康を守るための健診です。

関連記事>>>「健診と検診と人間ドックの違いとおすすめ」

健診項目は下のとおりです。

医療職でない方にも分かりやすくするために一部省略しています。

  1. 既往歴(これまでどんな病気になったことがあるか)、業務歴(これまでどんな仕事をしてきているか)、自覚症状と他覚症状(自分で感じる異変と、医師から見てわかる症状)
  2. 身長、体重、腹囲
  3. 視力、聴力
  4. 胸のレントゲン写真
  5. 血圧
  6. 貧血検査(ヘモグロビン、赤血球数)
  7. 肝機能検査(AST、ALT、γGTP)
  8. 血中脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)
  9. 血糖検査(血糖値またはHbA1c)
  10. 尿検査(尿糖、尿たんぱく)
  11. 心電図

それぞれの項目を詳しくみていきましょう。

健診を受けることで新たにどんな異常がわかったりどんな病気が疑われたりするのかも主要なものを項目ごとに記載しています。(まれなケースは除いています)

1.既往歴、業務歴、自覚症状、他覚症状

問診票に記入したり医師の問診で確認されたりします。

治療中の病気の有無やその病名ももちろん確認事項です。

健診の判定をする医師が異常の原因や重症度などについて検討するときの重要な判断材料です。

面倒くさがらずにきちんと問診票に書いて、気になることがある場合は問診の時に医師に聞いてみると良いでしょう。

この項目でわかる異常・疑う病気
・特になし

2.身長、体重、腹囲

肥満度や内臓脂肪の程度などを知るために測定します。

肥満の程度は一般にBMIであらわされます。

身長(メートル)を体重(kg)の2乗で割ります。

18~25が標準で、25以上は肥満

30以上の人は日本人としてはかなりの肥満です。

BMIがそれほど問題ない人でも、腹囲は基準を超えることがあります。

この場合、一見太っているようには見えなくても内臓脂肪がたまっていると考えられます。

BMI25以上、腹囲が基準値(男性85cm、女性90cm)以上の人は、まずは今以上に太らないこと。

太りすぎは当然色々な病気の原因になりますから、標準目指して生活を見直せるといいですね。

できれば次の健診までに少しでも改善できるように意識してみてください。

この項目でわかる異常・疑う病気
・やせ、肥満。
・内臓脂肪が多い。メタボリックシンドローム。

3.視力、聴力

大人の場合そうそう変化するものではありませんが、定期的に測定しているとあるとき急に悪くなったりします。

そんなときは何か目や耳の病気が隠れているかもしれませんので、健診の結果のコメントに従って様子を見たり、病院に行ったりしてください。

普段の生活で違和感がないかどうか注意して生活してみるのも重要です。

この項目でわかる異常・疑う病気
・近視、遠視、老眼。
・(加齢性)難聴。

4.胸のレントゲン写真

胸部X-P胸部レントゲンなどと言われることもあります。

元々胸のレントゲンは結核をみつけるために健診で実施されていました。

現代でも結核はときどき見つかりますが、結核以外の様々な異常に気付くきっかけにもなります。

たとえば肺がん

大抵の場合一般定期健診でとるレントゲンと肺がん検診でとるレントゲンの機械や設定は同じですので、がんが見つかることもあるのです。

この項目でわかる異常・疑う病気
・結核、肺がん。

5.血圧

血圧が高いと初めて言われた場合、まずはなぜ血圧が高いのかという原因を調べる必要があります。

高血圧の原因には色々な病気があります。

早めに病院(内科、循環器内科など)を受診しましょう。

もしも高血圧以外の症状(頭痛や胸の痛みなど)があるのであれば、問診の時に医師に相談するのがお勧めです。

この項目でわかる異常・疑う病気
・高血圧、低血圧。メタボリックシンドローム。

6.貧血検査(ヘモグロビン、赤血球数)

強い貧血があると、胸のどきどき(動悸)息切れ疲れやすさなどの症状が出ます。
※朝礼で長時間立っていてクラっときて倒れるのはほとんどの場合貧血ではありません。

軽い貧血では全く自覚症状のないことも多いです。

急激に貧血が出ているような場合は、大腸がんなどから知らないうちに出血しているケースや、子宮内膜症など婦人科系の病気があるケースなどが考えられます。

早めに病院を受診しましょう。

この項目でわかる異常・疑う病気
・貧血。女性の場合は鉄欠乏性貧血、婦人科の病気。
・急激な悪化の場合は大腸がんなど。

7.肝機能検査(AST、ALT、γGTP)

AST(エーエスティー)、ALT(エーエルティー)ではなくGOT(ジーオーティー)、GPT(ジーピーティー)と書かれている場合もありますが、意味は同じです。

肝臓の細胞がどれぐらい壊れているのか、を調べています。

ASTは肝臓のほかに心臓や筋肉、赤血球にもあります。

ALTはほぼ肝臓にしかありません。

AST、ALTは脂肪肝や肝炎などで肝臓の細胞が壊れると異常な数値となって現れます。

肝臓は沈黙の臓器と言われ、自覚症状が出るまでに時間がかかります

肝機能検査で異常があったらすぐさま生活習慣をあらためたり、病院で詳しく検査を受けたりしましょう。

γGTP(ガンマ・ジーティーピー)は肝臓や胆管(胆のうの出口の管)の細胞が壊れると増える数値です。

肥満などによる脂肪肝ではそれほど上がらず、アルコールによって肝臓にダメージが与えられている人に目立って上がります。

この項目でわかる異常・疑う病気
・脂肪肝、肝炎。アルコール性肝障害。

8.血中脂質検査(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)

一般定期健診の項目のうち異常値になる人が一番多いのが脂質の検査。

動脈硬化の程度や心筋梗塞などの病気発症のリスクを推測するために調べます。

皮下脂肪が多いと中性脂肪(TG:トリグリセリド、トリグリセライド)が高くなります。

あまりに高すぎると急性膵炎などのリスクがあるため、すぐに病院を受診したり生活を改める必要があります。

TGは食事によってすぐに数値が変わるため、採血のタイミングによってはすごく高くなることもあります。

できるだけ空腹の状態で検査を受けることをお勧めします

HDLコレステロールはいわゆる善玉コレステロールです。血液の中の余分なコレステロールを肝臓に運んで減らす役割を果たしています。

これが多い分には問題はありません。

少なすぎる場合には、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクが高いと言えます。

ウォーキングなどの有酸素運動を取り入れてHDLコレステロールの増加を目指しましょう。

LDLコレステロールはいわゆる悪玉コレステロールです。

血液の中のコレステロールを血管などの細胞の中へ運び、動脈硬化を進めてしまいます。

これが多すぎる場合には一度病院で相談してみるといいでしょう。

食事療法や薬物療法(飲み薬)でLDL減少を目指します。

まずは、飽和脂肪酸を含む食事をできるだけ避けるように気を付けてみてください。

コレステロールはHDLとLDLのバランスが重要です。

HDLを少しでも増やし、LDLを減らせるように生活習慣を見直しましょう。

この項目でわかる異常・疑う病気
・脂質異常症。メタボリックシンドローム。

9.血糖検査(血糖値またはHbA1c)

糖尿病について調べる項目です。

糖尿病にも原因が色々あり、生活習慣病だけでなく遺伝的に発症してしまうものや、膵臓の異常が原因のものなどがあります。

初めて異常が出た場合は1か月以内を目安に内科、できれば糖尿病内科や内分泌内科を受診しましょう。

血糖値は中性脂肪と同じように食事の影響を強く受けます

空腹のタイミングで受けなければ意味がほとんどありませんので、注意してください。

HbA1cは検査前の1~2か月の血糖値について知ることが出来る検査ですので、直前の食事は影響しません。

健診前の数日間だけ頑張って摂生してもすぐにばれますので、日ごろから生活習慣に気を付けることが大切です。

この項目でわかる異常・疑う病気
・糖尿病。メタボリックシンドローム。

10.尿検査(尿糖、尿たんぱく)

腎臓について調べています。

尿糖だけがたくさん出ている場合は血糖値と併せて確認しましょう。

糖尿病の結果、腎臓が壊れ始めてしまっている可能性があります。

尿たんぱくがたくさん(++~+++)、あるいは尿糖と尿たんぱくの両方が出ている場合は腎臓の病気の可能性が考えられます。

結果を受け取ってから1か月以内を目安に病院(内科、腎臓内科)を受診してください。

この項目でわかる異常・疑う病気
・腎炎など腎臓の病気。糖尿病。

11.心電図

心筋梗塞や狭心症、不整脈などがわかります。

あまりに異常な結果であれば健診を受けている時に呼び出されると思います。

ただし、狭心症や不整脈の場合、心電図をとっている瞬間に症状が出ていなければ異常なしという結果となる可能性が高く、決して万能の検査ではありません

胸の痛みや圧迫感、脈の違和感や動悸などの自覚症状がある場合は、病院(循環器内科)を受診しましょう。

この項目でわかる異常・疑う病気
・心筋梗塞、狭心症、不整脈。
・その他心臓の異常。

結果をもらったら何をするべきなのか

健診結果の多くはA、B、C、Dのようなアルファベットや異常なし要経過観察要精密検査のような判定結果であらわされます。

アルファベットや記号の場合はそれぞれの意味が結果表のどこかに書いてあるはずですから、まずはそれを探しましょう。

実は健診機関や病院によって採用している基準値がちがうため、あちこちで検査していると同じ数値でも最終判定がちがっていることがあります。

全国統一ではないというところがものすごくもったいないし、受ける側からしたら意味不明なので早く全国で統一してほしいところです。

異常なし、オールAという人は、おめでとうございます。ぜひ今のまま健康で居続けられるようにしてください。

要経過観察の項目があった人。健診結果に3か月後とか半年後とかに再検査するように書いていませんか?書いてあったら従ってくださいね。

特段の指示がないけど心配な人へのお勧めは、半年後にもう一度同じところで調べてもらうことです。

特に、初めて経過観察になった人は少し注意深く自分の状態を観察するようにしてください。

半年後または1年後までに何か気になる症状があれば、病院を受診して健診結果のことも一緒に相談しましょう。

健診結果の書いてある用紙をとっておいて持っていくといいですよ。

要精密検査の項目があった人。1か月以内に健診結果を持って病院を受診しましょう。

その時何科を受診するといいのかについては上の項目別解説を参考にしてみてください。

要治療の項目があった人。健診結果が来たら1週間以内を目指して病院を受診しましょう。

すでに治療中の病気に関することであれば、次の受診の時に主治医に健診結果を見せるだけでも良いでしょう。

健診を受けた病院などから緊急連絡が来た人
できれば連絡が来たその日のうちに病院を受診してください。

早ければ早いほどいいです。

大きな病院や健診機関で健診を受けた場合、最近はここで解説した項目以外にもたくさん検査していることが多いです。

長くなりすぎるので、他の項目については別記事で解説していきますね。

健診結果の用紙をよーく読んでみると、色々わかっておもしろいですよ。